尾崎:本日は「Next 5-years DOOR」で協業しているSEEDER株式会社の波多野さんをお迎えし、「5年後のヒット商品番付!」と題して、未来の流行を予想していきたいと思います。波多野さん、よろしくお願いします。
波多野:よろしくお願いします。
尾崎:舞台はいまから5年後の2031年。どんなものが流行しているのか、大きく3つのトピックについてそれぞれAIを活用して予想してきましたので、順に見ていきましょう。
まずは「労働」について、2031年はどのような変化が予想されるのでしょうか。
労働
波多野:2031年には、意図的に「働かない余白」を設け、心身の回復や創造の余力を可視化し、それを報酬や権限に反映させる考え方が拡大するかもしれません。
尾崎:なるほど。たしかにここ10年ほど「働き方改革」が進められてきましたが、IoTやAIの進展がそれをさらに後押ししていますよね。
波多野:そうですね。とはいえ「残業する人が評価される」「最低限の業務しかしない働き方は消極的」といった価値観はいまだ根強く、個人の余白は「サボり」と解釈されがちでした。出世こそが正義、という空気もありましたよね。
しかし今後は「業務はミニマムに抑え、その分の余白で回復や学習を行う」ことが前提になります。KPIなどを用いてそれらを効率的に管理し、健康状態や休養スコアを可視化することで、福利厚生や裁量配分、案件選択の判断材料として活用されていくことが考えられます。
尾崎:私も近い予想をしています。ウェアラブルデバイスが進化し、24時間365日、生体データを取得できるようになりますし、利用者の増加によってデータの信頼性も高まっています。

さらに、ゲノム解析のコスト低下も進むと考えられるため、より科学的で個人に最適化された「予防医学」が一般化していくのではないでしょうか。
個人の遺伝情報や生活習慣をもとにした「オーダーメイド栄養食」や「完全食」といったサービスも、今以上に広がりそうですね。

波多野:確かに、その流れは加速しそうですね。実際に大手食品メーカーでも腸内検査をもとに消費者ごとに適切なプロダクトをカスタマイズで提供するサービスが人気となっている事例もあります。
趣味/余暇
尾崎:続いてのテーマは、趣味や余暇です。労働のあり方が変わる中で、この分野はどのように進化していくとお考えでしょうか。
波多野:すでに一般化している「推し活」が、さらに加速していくと見ています。趣味へのコミットメントやアイテム収集が、単なる消費行動ではなく、経済的価値や社会的信用への投資として扱われるようになるのではないでしょうか。
尾崎:経済的価値だけでなく、社会的信用への投資、という点が興味深いですね。
波多野:これまでは、グッズ購入やライブ参戦など、費やしたお金や時間が熱量の指標でした。しかし今後は、グッズをトークンと紐づけたり、趣味活動そのものをデータ化・スコアリングすることで、客観的な指標として活用できるようになります。
それによって活動に経済的価値が生まれたり、同じ趣味を持つコミュニティ内での信頼を獲得できるようになるでしょう。
実際、これまで数値化が難しかった「どれだけ社会貢献しているか」を可視化するサービスもすでに登場しています。
尾崎:これまでは「一個人としての推し活」だったものが、集積されることで、より大きなコミュニティを形成していくわけですね。
生まれたときからSNSや動画配信が当たり前に存在していたα世代が、推し活の中心世代になると考えると、「観る」だけでは物足りず、「作る」「参加する」といった体験設計がより重要になりそうです。
また、生成AIやテクノロジーの進化によってXRグラスが普及し、各家庭を仮想空間でつないだライブ体験も生まれそうですね。

リテラシー
尾崎:最後のテーマは「リテラシー」です。AIにはどうしても「ハルシネーション」が起こり得ますが、これにどう向き合うかが、AIを使いこなせるかどうかの分かれ目になりそうです。
波多野:そうですね。画像や動画を簡単に生成できるようになったことで、「フェイク」も急増しています。これまでは「フェイクニュースに注意するのは受け手の責任」とされがちでしたが、なぜ信じてしまったのか、という振り返りにはあまり光が当たってきませんでした。
しかし今後は、誰もが自ら生成する側に回れる時代になります。発信者の視点を体験することで、自身の認知バイアスや判断の癖を理解し、騙されにくい「情報免疫力」を自ら設計する生活者が増えていくかもしれません。
尾崎:悪意あるフェイクニュースに限らず、善意であってもハルシネーションを含む情報は存在します。その「ちょっとした違和感」に気づけるかどうか、そして経験値をどれだけ積めるかが重要になりそうですね。
波多野:リテラシーの延長線上で、死後のデータ利用についても本格的に考える時代が来ることも考えられます。声や顔、文体といった個人データですね。
タレントやアイドルであれば、亡くなった後もAIによって新曲やパフォーマンスを生み出すことが可能になりますが、どこまでを許容範囲とするのかが大きな論点になります。
「死後にAIへ学習させない権利」や「AIクローン化を拒否する権利」を設定し、それが終活の一部になっていく可能性もあると思います。
尾崎:このあたりはまだ法整備が追いついていない領域でもありますし、今後さまざまな議論が必要になりそうですね。
尾崎:ここまで2031年のヒット予想をしてきましたが、実際はどうなるのでしょうか。
その答えがわかるのは――5年後。楽しみですね。
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